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いわゆる就労ビザの代表格 在留資格『技術・人文知識・国際業務』の概略について説明します。

なお、『就労ビザ』なる語は、非常にあいまいで、入管法上は出てない一般的な通称名ですのでお気をつけください。

就労ビザ = 技術・人文知識・国際業務(ぎじんこく)

通称『就労ビザ』の代表格としては、在留資格『技術・人文知識・国際業務ビザ』があります。

 

このビザは、例えば、企業で エンジニア、海外取引業務、海外営業、マーケティング、翻訳・通訳 等々などの仕事を行うためのものです。

 

また、『就労ビザ』と言われるものとしては、このほかに『経営・管理』、『技能』 などもありますが、業務内容(活動内容)が異なるため在留資格としては別もので、取得条件も違います。

 

ココでは、在留資格『技術・人文知識・国際業務』を、就労ビザとして説明します。

 

尚、この在留資格(ビザ)は、名前が長いので、次のように呼ばれることが多いです。

『技人国(ギジンコク)』

『技術ビザ』

『人文知識・国際業務ビザ』

『人国(ジンコク)』

『就労ビザ』

・・・いろいろな呼ばれ方がしますので混乱しないようにしてください。

 

また、この在留資格『技術・人文知識・国際業務』は、元々『技術』、『人文知識・国際業務』と2つに分かれていたものを統合(平成27年4月~)されたものです。基本的な要件は、従来と同じと思っていただいて結構です。

 

したがって、

・大学等で理系学部を卒業された方は旧『技術』の基準で、

・大学等で文系学部を卒業された方は旧『人文知識・国際業務』の基準で、

審査されると考えるとわかりやすいです。

 

なお、以下では、この在留資格を『技人国ビザ』と略称で説明する場合があることをご了承ください。(※ 実際に入管でも『ぎじんこく』と称呼される場合が多いです。)

 

技術・人文知識・国際業務が取得できる主なパターン

技術・人文知識・国際業務ビザは、一般的に、外国人留学生が大学等を卒業後に日本で就職する際に、変更許可申請で取得するケースが多いです。

 

また、在留資格『技術・人文知識・国際業務ビザ』は、他の就労ビザ(技能、経営・管理)と同様に、取得条件が厳しいので、以下をじっくり読んでご理解のうえ申請されることをおすすめします。

 

技術・人文知識・国際業務の概要

技術・人文知識・国際業務でできること

この技人国ビザで可能な業務分野は、簡単にいうと次のようなものです。

理系卒業 ⇒ エンジニアなど

文系卒業 ⇒ 翻訳、通訳、国際的な営業活動など

以上が代表的なところです。

 

ただし、個別具体的に検討することのよって、上記以外の業務が可能な場合があります。

 

この在留資格は、大卒等(専修学校含む;以下単に大卒等を記載します。)を卒業した外国人留学生が、日本の企業に就職して働くようなケースを想定する代表的なものであるので、その業務内容は、けっこ幅が広いとも言えます。

 

なお、予定される業務内容が、工場内での単純労働、飲食店でのホールスタッフ等は基本的に無理です!!

 

あくまでも、この在留資格は、大学等を卒業したものが、その大学等で勉強した知識・技術を使って仕事をすることを想定されているため、単純労働などは大学等での知識を要しないとの考え方からです。

 

この点ご注意ください。

 

日本の専修学校を卒業(専門士)した外国人について

平成23年7月1日から、日本の専修学校(専門学校)の専門課程を修了(卒業)した外国人に対しても、本在留資格『技術・人文知識・国際業務』が与えられるようになりました。

 

経緯と細かい基準は、書くと長くなるのですが・・・ポイントを以下に書きます。

まず第一の条件は

『日本の専門学校の専門課程を修了し、専門士、高度専門士の称号を付与された者』

※ ただし、業務内容と専門課程での修了した内容の具体的関連性を、大学卒業者よりも厳格に審査される点にご注意ください。(これは入国管理局内部の資料である審査要領に明確に記載されております。)

つまり、【専門学校で学んだ内容】と【就職後の業務内容】との関連性が厳密に審査されます。

したがい、大学卒業者よりも業務範囲は狭くなると認識してください。(これについては、入国管理局の審査要領にも明確に言及されております。)

以上より、専門学校卒業の場合は、特に次の条件をご確認ください。

『専修学校の専門課程における修得内容と従事しようとする業務が関連があるか?』

 

また最近、上記条件を満たしていないことに気づかず、ビザ(在留資格)の変更が認められない不運なケースが多くなっているように思います。

 

したがって、専門学校生が就職活動をする場合は、専門学校での修得内容と従事しようとする業務の関連性について、特に注意してください。実は・・・留学生を受け入れる企業側と留学生の双方の認識が誤っている場合が多いです。ぜひお気をつけください。

 

また、専門学校を卒業して、入管へ変更申請する場合は、「専修学校の専門課程における修得内容」と「従事しようとする業務」の一致性・整合性を具体的にキッチリ説明する必要があります。(具体的には理由書等で行います。

【参考】

平成23年法務省告示第330号<専修学校の専門課程修了に関する要件;上記H23年改正の内容>

平成6年文部省告示第84号<専門士、高度専門士について定めた文部省告示>

 

海外の大学を卒業した外国人について

また、大学の場合は、上記専門学校とは違って、『日本の』という限定はないものの、日本の大学と同等の教育内容であるかどうかは審査されますので、単に海外の大学(ユニバーシティー、カレッジ)を卒業したからといって、即要件を満たしているとは言い難い点をお気をつけください。

 

つまり、日本の大学と同等レベルの大学を卒業したのか否かを判断されます。

 

この点は、非常に判断が難しい部分であるので、その都度個別具体的に入国管理局へ問い合わせるなど事前協議が必要となる場合があります。

 

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行政書士 生駒信雄

行政書士 生駒信雄
行政書士いこま法務事務所の生駒です。
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